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« あさか通信11月号 | メイン | 歯周病はなぜ治らない?4つの原因について詳しく解説! »

2023年11月 6日

こんにちは。
浅賀歯科医院院長の勝です。
今回は歯の神経の治療、根管治療の上手い歯医者の選び方4選についてお話ししたいと思います。


歯の神経の治療でどんな歯科医院に行ったら良いか分からない人、多いですよね。
歯の神経の治療こそ、歯科医院選びが非常に重要です。
それを解決できるように、今回はこの記事を作成しました。


まず歯の神経の治療である、根管治療とは一体何なのかをお話ししたいと思います。
その後、根管治療の上手い歯医者の選び方について、詳しく解説していきます。


【目次】
  • 根管治療とは
    ・①抜髄
    ・②感染根管治療
  • 根管治療の上手い歯医者の見分け方
    ・①ラバーダム防湿
    ・②マイクロスコープ
    ・③歯科用CT
    ・④外科手術の可否
  • まとめ





根管治療とは


まず、歯の神経の治療を「根管治療」と言います。
根管治療には以下の2つの治療があります。

抜髄
感染根管治療

それぞれを詳しく解説していきます。

①抜髄


根管治療は虫歯が神経まで到達している時、抜髄という治療を行います。(図1)

root-canal-treatment2.pngのサムネール画像のサムネール画像
図1

これは根管内を歯科医師が最初に触る治療となります。
この治療の成功率は約90%程度(世界平均)と言われています。
100%ではないのかと思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、根管は形態がとても複雑で、更に人によって異なるため、非常に治療が難しく、歯科医師の技量によっても成功率は異なってきます。
また、細菌を除菌するために消毒の薬を入れますが、歯の神経は根管内を無数の網目状に走っていて、その隅々に至るまで除菌を完全に果たさなければなりません。

虫歯が神経にまで到達しているときに行う抜髄はとても難しい治療です。

②感染根管治療


次に、先程の抜髄という根管治療がうまくいかなかった場合、歯の根っこの先に根尖病変という病気ができます。(図2)

root-canal-treatment1.pngのサムネール画像のサムネール画像のサムネール画像
図2

これが進行すると歯茎にニキビのような物ができたり、潰れたりを繰り返すことがあります。
重度になると、歯茎がパンパンに腫れてしまうこともあります。
一度根管治療が行われている歯に再び根管治療を行うことを「感染根管治療」と言います。

これは一度歯科医師が根管内を治療した後に行うため、治療の難易度は更に上がります。
一度抜髄をして神経を抜いているため、根管内は細菌で溢れています。
そのため根の先に病気ができている状態です。

つまり、最初の状態よりも更に悪化しています
その状態の細菌の除去を行う感染根管治療の成功率は約60%程度(世界平均)と言われています。
今回説明した抜髄も感染根管治療も重要なことは根管内の感染・細菌をゼロに限りなく近づけることです。

この大前提を理解した上で、どういった歯医者さんを選べば成功率が上がるのかをこれから4選話していきたいと思います。

根管治療の上手い歯医者の選び方


根管治療の上手い歯医者の選び方には4つのポイントがあります。

ラバーダム防湿
マイクロスコープ
歯科用CT
外科手術の可否

それぞれを詳しく解説していきます。

①ラバーダム防湿


根管治療の上手い歯医者の選び方の1つ目は「ラバーダム防湿をしているかしていないか」です。
先ほど話したように、根管治療は根管内の細菌を限りなくゼロに近づけることが重要です。

ラバーダム防湿をしていないと唾液が根管内に侵入してしまいます。
唾液の中には多くの細菌がいます。
つまり細菌も根管内にどんどん侵入していることになります。

結果として根管治療は必ず失敗します。
皆さんはラバーダム防湿無しでも一度は痛みが取れるので、治ったと勘違いしてしまうのです。
しかし、唾液と一緒に根管内に侵入した細菌は徐々に繁殖していきます。

数年後に再発し、失敗となるのです。
ラバーダム防湿をしないで根管治療を行うのは歯科医師が病気を作っているようなものです。

ラバーダム防湿をしていない歯医者はヤブ医者の可能性が考えられるため、根管治療は受けないことをお勧めします。

②マイクロスコープ


根管治療の上手い歯医者の選び方の2つ目は「マイクロスコープがあるかないか」です。
一昔前の根管治療は手探りで行うものと歯科学生の教科書にも書いてありました。
しかし、現在はマイクロスコープの普及により、実際に目で見て根管内の感染の状態が分かるようになりました。

また、複雑な根管の形態も目で見ることができるようになりました。
今まで手探りでは分からなかった小さな根管が観察できるようになりました。
これにより根管治療の成功率は格段に上昇しました。

現在の根管治療において、マイクロスコープは必須と言えるでしょう。
マイクロスコープがない歯医者はヤブ医者の可能性があるため、注意が必要です。

③歯科用CT


根管治療の上手い歯医者の選び方の3つ目は「歯科用CTがあるかないか」です。
根管内はとても複雑な形態をしていて、それを全て把握するには三次元的に根管内の状態を記録できる歯科用CTが必須です。

レントゲン写真では二次元の状態しか分からないため、根管が大体どんな形をしているのか程度しかわかりません。
歯科用CTは根管内を知るために重要と言えるでしょう。

そのため、歯科用CTがない歯医者はヤブ医者の可能性があるため、事前にHPなどでチェックしておきましょう。

④外科手術の可否


根管治療の上手い歯医者の選び方の4つ目は「外科手術ができるかできないか」です。
最初に述べたように感染根管治療の成功率は約60%程度です。
ここで治療がうまくいかない場合は歯を抜かなければいけません。

しかし、抜歯の前にできる手段が1つだけあります。
これは「歯根端切除術」です。
これは歯の根の先にある、病変と歯根を一気に外科的にとってしまう画期的な方法です。

こうすることで感染根管治療の成功率、つまり手術の成功率は約60%から約94%まで跳ね上がります。
この手術は歯科用CTでよく検査をしてからマイクロスコープ下で行う手術となります。
マイクロスコープを使用していない手術は成功率がグンと下がります。

歯の保存を第一に考えるのであれば、歯根端切除ができる歯医者さんにいきましょう。

まとめ


根管治療には抜髄と感染根管治療があるというお話をしました。
根管治療は根管内の感染・細菌を限りなくゼロに近づける治療です。
根管治療の上手い歯医者の選び方は4つあります。

ラバーダム防湿をしている歯医者

これがないと肝心の細菌の侵入は防げません。

マイクロスコープがある歯医者

根管治療を手探りで行う時代は終わりました。

歯科用CTがある歯医者

これがないと根管内の状態を正確に把握することはできません。

外科手術ができる歯医者

根管治療が上手くいかなくて悩んでいる方、これは抜歯前の成功率が高い最後の手段です。
抜歯の前に是非一度ご相談ください。

いかがでしたでしょうか?
今回は相談が非常に多かった根管治療についての解説を行いました。
根管治療は患者さんが何をされているか理解し難いため、質問が多かったのかと思います。

何か質問があればコメントをお待ちしております。
今後も皆様にとって歯科に関する有益な情報を配信していきます。



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理事長 浅賀 寛

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