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2023年12月22日


んにちは。 浅賀歯科医院・院長の勝です。 今回は歯医者さんで歯を抜くしかないないと言われた人で、すぐに「分かりました、抜きます」と辛い決断をしてはいけません。 抜かれてしまう前に必ずこの状態を確認してから、歯を抜くのを決めてくださいという内容です。 抜歯をしなければいけない時には確固たる理由が必要です。 逆に言うと今から話す理由がない場合には歯を残せる可能性があります。 患者さんが持つべき正しい知識をお伝えしますが、これは歯科医師レベルの知識となるので少し難しい内容となっています。 では歯を抜くしかないと言われた人に向けて、抜歯する前に確認すべきことを解説していきます。 【目次】 ●抜歯の三大原因 ・①歯周病 ・②虫歯 ・③歯の破折 ●まとめ

抜歯の三大原因

抜歯の三大原因は以下のものになります。 ①歯周病虫歯歯の破折 それぞれの病気には重症度というものがあります。 それを確認せずに歯医者さんに「残せないから歯を抜くしかない」と言われて、それを鵜呑みにするのはやめましょう。 では、さっそくそれぞれ説明していきます。

①歯周病

抜歯の原因の1つ目は「
歯周病」です。
歯周病の中でも歯を抜くしかない原因が2つあります。 ・1.歯を支えている骨の全てが溶けてしまっている時
・2.その歯を残すことで他の歯に大きな悪影響を与える場合
この2つを詳しく説明します。

1.歯を支えている骨の全てが溶けてしまっている時

歯周病で歯を抜くしかない原因1つ目は「
歯を支えている骨の全てが溶けてしまっている時」です。 この時はもう歯もぐらぐらになっていて、縦にも横にも揺れています。 噛むと痛くなっていることが多いです。 これはさすがに抜歯です。 患者さんにも自覚症状があるので抜歯と言われても納得してくれることが多いです。 ですが、歯医者さんに「歯がぐらぐらしているから抜きましょう」と言われた時には、必ず「先生、骨がどれくらい吸収してしまっていますか?」と聞きましょう。
確かに抜いてしまえば一度で治療が終わるので、歯医者さんにとっても患者さんにとっても治療は楽です。 ただ、歯を支えている全ての骨がなくなっていないのであれば、原因となる感染を除去する歯周治療を行うことで少しでも長く残せる場合があります。

2.その歯を残すことで他の歯に大きな悪影響を与える場合

歯周病で歯を抜くしかない原因2つ目は「
その歯を残すことで他の歯に大きな悪影響を与える場合」です。 歯周病は感染症のうちの1つです。 非常に状態の悪い歯を残してしまうと、健康だった他の歯たちにも悪影響を及ぼす場合があります。 その場合、症状がなかったとしても抜いた方が良い場合もあります。 症状がなく、揺れもそこまでないのに抜かないといけないと言われた時には「この歯を残しておくことで周りの歯にも悪影響を与えますか?」と聞きましょう。

②虫歯

抜歯の原因の2つ目は「
虫歯」です。
虫歯で抜歯しないといけない時に確認すべきことは「虫歯がどこまで進行しているか」です。 「虫歯が進行しているのでこの歯はもう残せません。歯を抜くしかありません」という言葉はよく聞きますよね。 この時は必ず「どこまで虫歯が進行しているか」を確認してください。 歯を残せない時は虫歯が骨のラインよりも進行してしまっている時です。 では写真1をご覧ください。 pull-out-teeth1.png
写真1
これは歯のレントゲン写真で、こういう状態の時に「
虫歯がどこまで進行していますか?」と確認しましょう。
骨のラインまで進行していなければ残せる可能性が高いです。 pull-out-teeth2.png
写真2
この場合は虫歯が骨のラインより進行してしまっています。(写真2) ですが、骨のラインまで進行してしまっていても自費治療の「クラウンレングスニング」という骨を削って、歯茎を切って歯を再び骨のラインよりも上に露出させて歯を残す特殊な治療もあります。(写真3)
pull-out-teeth3.png
写真3
僕も他院で抜歯と宣告された歯をこの方法でいくつも残すことに成功しています。 最後の奥の手があることを知っておいてください。

③歯の破折

抜歯の原因の3つ目は「
歯の破折」です。 歯が割れているパターンには2つあります。
横に歯が割れている水平的な歯根破折
縦に歯が割れている垂直的な歯根破折

歯が割れるというのは神経がない歯にとてもよく起こります。 これで歯を抜きましょうと言われた人も非常に多いと思います。 破折に関しては水平的に割れている場合には残せる場合があります。 当然歯の根っこの方で割れてしまっている場合には残すことができません。 しかし、歯の頭の歯冠の方で割れている場合は残せることもあります。 次に縦に歯が割れている場合は歯を残せない場合が多いです。 僕は特殊な方法により一度だけこの歯を残せたことがあります。 それでもかなり難しい治療となります。 どちらにしても割れている時に大切なことがあります。 歯医者さんに「割れているから抜きましょう」と言われた時には必ず破折線を目で確認してください。 当院ではマイクロスコープを使用して写真を撮って、割れている線を患者さんに確認してもらっています。 確定診断は目で確認するのが大切です。 破折の宣告を受けてしまった人は歯医者さんに「破折線を実際に見せてください」と伝えましょう。
破折線を目で確認するまでは歯を残すのを諦めなくても良いと思います。

まとめ

今回は歯を抜くしかないと言われた人に向けて解説記事を作成しました。 抜歯しないといけない原因は
歯周病虫歯歯の破折 これら3つですが、歯を残せる可能性もあるので歯医者さんで確認すべきことを解説しました。 少し難しい内容でしたが、患者さんが持つべき知識だと思っています。 ただ、実際の状況が全て当てはまるわけではありません。 複雑な場合もあるので必ず歯医者さんとよく話すようにしてください。 納得してから抜歯してもらうようにしましょう。


浅賀歯科医院は各専門医が在籍する、国内最大規模の歯科医院です。 僕もインプラント専門医、歯周病の認定医の資格を持っています。 何か心配な点などありましたら、Instagramダイレクトメールでご相談お待ちしております。
ではまた次の記事でお会いしましょう! さよなら。



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浅賀歯科医院
理事長 浅賀 寛

www.asakaimplant.or.jp

当院では「よりよい歯科医療を、誰でも、いつでも、平等に」という理念のもと、虫歯の治療や矯正などの歯科一般、歯周病治療、失ってしまった歯を取り戻すインプラント、歯科ドックなどの予防歯科、そしてご自宅への訪問歯科などの治療を行っております。